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2009年10月22日 (木)

~第2章~ 後編

 二人の空間には、目に見えぬ糸がいくつも張り巡らされている。

 お互いが微妙な詰め合い、外し合いを展開していく中でいくつもの糸が一つ二つと切り離されていく。

 それが最後の一つとなったとき、二人の拳足には、魂という名の「氣」が充てんを終えていた。

 ・・・これは組手男子2部の頂上決戦、吉玉選手VS内田選手の戦いの心理戦を表したものだ。

 結果、3対1で元ナショナルチーム選手であった内田選手を`マスターズの雄’吉玉選手が下した。

 しかしその代償に、現在吉玉選手の手掌甲部にはプレートと4・5本のボルトが埋め込まれることとなったことは知るまい。

 `本当に倒す気で蹴らなければ返しがくるからね~’と、これは戦いを終えた内田氏本人の口から聞いた話

 うお~っ す、凄い! 

 この蹴りが放たれたのは試合開始最初の攻撃であった。前での心理戦と間合いの攻防戦に終止符を打った直後に繰り出された技だったのです。

 パチーンと乾いた音が場内に響き渡った。そう、蹴りを受けた際の衝撃音である。

 結果、吉玉選手のその蹴りを受けた手は骨折

 本人はそれに気付かず続投となる。

 その後も、「静中の動」の試合展開は続く。

 吉玉選手の戦略は徹底したカウンター攻撃でした。

 しかも殆どが「対の先」

 間をギリギリまで詰め、相手の攻撃を誘う

 長身で、無駄な肉が付いていないそのすらりとした身体から繰り出される右足での回し蹴り・・・若いはずである1部の小生よりも、完全に身体はアスリート然としている内田選手

 その空気を切り裂く、しなりある蹴り技をもってもその鉄壁なカウンター戦略を崩すことができなかったのか・・。

 恐るべし吉玉選手 

 やはり本業である自衛隊が絡んでいるのか?

 朝霞市(埼玉で自衛隊基地のある所)のどこかに戦略室を設け、様々な相手とのシュミレーションをハイテク装備で行ったに違いない。

 さらに、サイボーグ化したのは「ボルト入りの拳」だけと明かしていただいたが、おそらくあんな所も、こんな所も改造したに違いない。うん違いない

 それに噂であるが、エネルギー源も時代を先取りハイブリッド化したと、まことしやかに囁かれている。

 まさか、来年のマスターズではメンホーではなく、映画のGIジョーがかぶっていたハイテクマスクを着用するとか・・・いやでもそれでは戦う前に、ルールにめちゃ厳しい全国審判員が見逃すわけはないだろう・・・反則負けだ!

 まっ、どちらにしてもこの妄想劇・・・いや戦いは終わらない。

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